Quest for quality life through traveling around the world.
旅する休職中サラリーマン。編集ひとりとぽっち
EVENT
2015.10.15

時代はオープンファクトリー!大人の工場見学『燕三条 工場の祭典』体験レポート

編集ひとり

こんにちは、編集ひとりです。今回は、先日、2015年10月1日~4日の4日間、新潟県の燕三条地域で開催された『燕三条 工場の祭典』体験レポートをお伝えいたします。
国内はもとより海外からも高い評価を得ている金属加工の産地、新潟県の三条市と燕市からなる“燕三条”地域。
最近では、iPhoneの背面パーツを製作した武田金型製作所が話題になったことをご存知の方もいらっしゃるのでは?
その発祥は、和釘の生産が始まった江戸時代と言われ。明治時代に、鍛治屋が急増し、金物の商いを始めた三条の商人によって“金物の町”として全国へ知れ渡ることになったとか。
そんな三条市と燕市の名だたる企業が工場を公開。一般の人が、ものづくりの現場を見学、体験できるイベントが『工場の祭典』なのです。
今年で開催3年目。
2011年に、三条市発祥のアウトドアブランド、スノーピークが本社及び工場を現在のHeadquatrsへと移転した際に、オープンファクトリー(工場の一般公開)化を図ったことが、他の企業にも影響を与え、燕三条地域の工場のオープンファクトリー化が進んだそうです。そこから、オープンファクトリーでない工場も含めて、燕三条地域の工場を広く一般に開放して知ってもらおうと始まった取り組みなんだとか。
普段は、なかなか見れないものづくりの現場や職人さんの技を直接、間近で見たり、お話を伺ったり、ワークショップに参加することもでる!
正に“大人の工場見学”。
燕三条駅を中心として東西南北半径約50キロ四方に点在する工場、全部で68社が参加。よくこれだけの数の会社が一致団結しましたよね!
開催期間中に全て回るのは到底無理だし、初参加なので、まず行くべき工場がどこなのかもよくわからない!なので、主要の工場を案内してくれるバスツアーに参加してみました。参加費¥4,300。3つの話題の工場を巡りました。
まずは、マルナオ。田園風景の中に突如現れるおしゃれな建物が直営店スペースが併設されたオープンファクトリーへ。
koubamaru3
サイトを見ればわかることですが、一応、どんな会社かというと…。
寺社を装飾する彫刻を生業として1939年に創業し、現在では、お箸の製作が有名。その他、黒壇(高級木材)のスプーンや万年筆などのステーショナリーも製造しています。
工場に到着すると三代目福田隆宏代表取締役自らが工場を案内してくださいました。
koubamaru4
工場に入ってまずびっくりしたのがBGMに最新の洋楽ヒットが流れている!
koubまる1
職人さんは若い女性の方も多く、マルナオのおしゃれな作業ウエアに身を包んだ仕事姿は本当にかっこいい!
koubamaru2
箸先1.5ミリの1辺の長さえも均一な正八角形に仕上げる職人技。
実際、持ってみましたが手のフィット感、ものをつかむグリップ感はハンパない!
koubamaru7のコピー
こちらの木製のスプーンは、海外のハイブランドに採用されたこともあるとか。
maru

“良いものを長く愛用する”というこれからの時代にマッチするアイテムの数々。
まずはここで、“工場=古臭い”のイメージが完全に払拭されました!

そして、マルナオからご近所の諏訪田製作所へ。
swada3
こちらは、1926年に創業。創始者が関東大震災(1923年)後の住宅復興需要に合わせ大工職人の為に“喰切(くいきり)”を製造したのが始まり。
瓢箪型爪切り、植木盆栽用刃物などを手がけ、近年ではデザイン性の高い爪切りが国内外で高く評価されています。日本のプロネーリストの多くが“SUWADA”の爪切りを使っているとか。
suwada2
suwada
マルナオ同様、ガラス越しに見学できる洗練された工場が印象的。
併設のショップには一息つけちゃうカフェもあったり。女子は爪切りマストバイです!
suwada2

そしてバスツアー最後は、1816年創業の老舗、玉川堂へ。
1816年って…、江戸時代ですよ!
燕三条地域の金属加工業の中でも唯一、1枚の銅板を鎚で叩き起こして銅器を製作する“鎚起銅器(ついきどうき)”の伝統技術を継承している老舗企業。
kouba玉2
2百年間、伝えられてきた職人技をこの目で見れるってちょっと感激です!
毎年数十名の入社希望の若者がやって来るらしいのですが、経営上1~2人しか採用できないのが残念なのだとか。職人さんが、例えば高級車を買えるとか、いい家に住めるとか、もっと社会的ステータスを得られる立場になれるような状況を作っていきたいとおっしゃってました。
kouba玉1
有形文化財に登録されているだけあって、工場自体がとっても素敵!
kouba玉.
ランチ休憩後、午後は、前述のiPhone背面パーツが話題になった武田金型製作所へ。1978年に創業されプレス金型を専門に製造。2005年に自社ブランド『mgn』を立ち上げ、名刺入れなどのアイテムなども展開。大学生の団体や、とにかく若い人たちで賑わってました。
武田
こちらでも武田修一社長自らがプレゼン!
その技術のすごさをわかりやすく見せてくださったのが精巧にカットされた金属板!動画でお伝えできないのが残念なのですが、きちんと重ね合わせると切り目がまったく見えない精密さ!すごいぞ日本のものづくり!
武田2
武田4

そして、“パンくずが出ないパンきり包丁”がオーダー1か月待ちの超人気を誇る庖丁工房タダフサへ。
1948年に創業。代々、様々な刃物の鍛造を行い、現在は家庭用刃物、本職用刃物など包丁全般を製造。
ちょうど、この(2015年)の10月2日にオープンファクトリーがオープン。
タダフサ4
入り口は数々の種類の包丁がディスプレイされているのですが、包丁ってこんなに種類があるんですね!
タダフサ2
包丁を作る鍛冶の現場って、正に“工場”のイメージ。熱く焼けた鉄に職人さんがハンマーを叩きつける様子にみんな夢中!
タダフサ1
tadafuas
1か月待ちのパン切り包丁もオープンを記念して特別に在庫があるとのこと!買おうか迷ったのですが…よく考えたら旅の最中にパン切り包丁はあまり使わなかなと残念ながら購入を断念!(笑)
タダフサ3

そして夕暮れと共にスノーピークへ。
koubaスノー2
スノーピークは1958年創業の自然志向のライフスタイルを提案するアウトドアメーカー。燕三条で初めてオープンファクトリーを導入したパイオニア。
大人気の焚き火台の製作現場を見学させていただきました。
通常は窓越しで見下ろす形での見学なのですが、この日は特別に、工場フロアに入り直接作業の様子を見学できました。
koubaスノー7
夜にはレセプションパーティが開催されました。今年のイメージデザインであるピンクのストライプのプロジェクションマッピングに彩られた社屋は圧巻。子ども達も自分達の影を映して大はしゃぎ。
koubaスノー3
グランピング世代のハートもがっしりつかむ大自然の中でのスタイリッシュな演出。
snowpeal party1
snowpeak fire2
美味しい食事。心豊かで贅沢なひと時を満喫させていただきました。

講演先の名古屋からわざわざレセプションのために戻って来た山井太社長のスピーチに会場は一気に盛り上がり。
yamai社長
suno-peak
『工場の祭典』実行委員長の能勢直征氏も駆けつけて大いに賑わいました。
nosesann
パーティ後は本社社屋の横にあるキャンプフィールドに宿泊させていただき、心身ともに充実した一日がふけていったのでした。
suno-peak fire
koubaスノー4

駆け足で体験した『工場の祭典』でしたが、工場のイメージを一新する画期的なイベントでした。

ものづくり現場の魅力を一般の人に伝えるためのデザイン、仕組みが素晴らしかったです。
guid book1
ガイドブックやマップの案内にはすべて英文も併記され、外国人観光客向けのインバウンド対策もきちんとされていたり。
guidebook2
何よりも地元の方々のものづくりにかける熱い思い、そして、脈々と伝統を受け継ぐ燕三条の土地のパワーを感じました。
未来志向かつグローバル志向で、伝統の技術を進化させていこうと切磋琢磨している工場が手と手を取り合い、燕三条というチームで盛り上がっていく!
これからの時代、日本を元気にする取り組みの一つの雛形なのではないでしょうか!
“ものづくりの現場って、かっこいい!”その一言に尽きます。
今年の祭典は終了してしまいましたが、通常もオープンファクトリーは見学可能ですので、興味のある方は是非是非足を運んでみてください。
koubamaru5
きっと、燕三条の“工場”の魅力を十二分に感じるはずです!!

PROFILE
編集ひとり

旅する休職中サラリーマン

編集ひとり

オーバー40にして、自らのワクワクに導かれるまま、長年お世話になっている会社を休職。Webメディアを立ち上げ、これからの豊かな暮らしを探求するため世界中を巡る旅を慣行中。雑誌『BE-PAL』(小学館)のWeb版『BE-PAL.net』(http://www.bepal.net/)にて記事を不定期掲載中。

ぽっち

旅するアシスタント

ぽっち

MeLikeの日本取材旅の最中に編集ひとりのリュックの中に紛れ込む。世界編からアシスタントとして大活躍する予定。一日の大半は寝ていて、鳥のささ身が大好物。