先日、宿泊した『萩ゲストハウスruco』のオーナー塩満さんに“山口県の周南市に面白い場所がありますよ”と、ご紹介いただいた『旧日下醫院(くさかいいん)』に行って参りました。
日下醫院は、昭和3年に建てられた病院で、その建物をリノベーションし、2007年にオープンしたのが『旧日下醫院』。
一見、外観感はレトロで重厚なイメージの建物ですが、
人気のコーヒーショップ『COFFEEBOY』、
お花屋さんの『CHA CHA DO』、
雑貨セレクトショップ『SOFA&PRODUCTS』、
アパレルセレクトショップ『hitosaji』、
アパレルセレクトショップ『actroom』
など、5つのスタイリッシュで感度の高いお店が入っている複合施設として地元の方はもとより、県外の観光客からも愛される、人気の場所となっています。
戦災を免れ戦前の佇まいを残す貴重な建造物として国の登録有形文化財にも指定されています。
昭和40年代に閉院し、一時は2階を近所の大学の宿舎として私用していたこともあったそうですが、しばらくは、何にも使われていなかったそうなのです。
そんな中、歴史あるこの場所を、ほったらかしておくのはもったいないと、店舗デザインの事業を手掛けられているの『SOFA』の白井宏明さん(5つのお店の中のひとつであるセレクトショップ『SOFA&PRODUCTS』も運営)が中心となってリニューアルの取り組みがなされ、現在の形に生まれ変わり、地元のコミュニティスペースとして息吹を取り戻しました。
「ここが病院だった頃に、ここで生まれたというおばあちゃんが、孫世代の若者と“昔、ここは診察室だったのよね~”なんて話しながらコーヒーを飲んでいたり、
高校時代に毎日、ここの前を通り過ぎてたけれど、こんな場所だと知らずに大人になって初めて入ったなんて20代の人がいたり、
独身時代から通っていた30代の女性たちが、最近、ママになって子連れで遊びに来るようになったり、
建物の中身は変われど、地域の人の集いの場として愛されてきた場所なんです。」
と白井さん。
もちろん私のような旅人にも寛大で、とってもくつろげ、地元の方との交流もできる素敵な場所でもあるのです。
ずっとこの町を見てきた『旧日下醫院』。
様々な世代の人の思い出がつまっていて、物語をつむいでいく場所。
こういう場所を大切に、次ぎの世代に継承していくことも、地域を元気にすることにつながるのかもしれない、
『旧日下醫院』内に溢れる心地良い空気を感じながら思ったのでした。
営業時間 | 10:30から18:30 【定休日】火曜日・第三水曜日 |
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住所 | 山口県周南市土井2丁目4−9 |
オーバー40にして、自らのワクワクに導かれるまま、長年お世話になっている会社を休職。Webメディアを立ち上げ、これからの豊かな暮らしを探求するため世界中を巡る旅を慣行中。雑誌『BE-PAL』(小学館)のWeb版『BE-PAL.net』(http://www.bepal.net/)にて記事を不定期掲載中。
MeLikeの日本取材旅の最中に編集ひとりのリュックの中に紛れ込む。世界編からアシスタントとして大活躍する予定。一日の大半は寝ていて、鳥のささ身が大好物。