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Interview

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地方の雇用&空き家問題は女性が解決!? 女性の働き方の選択肢を地方で増やしたい

株式会社ゲイト『山梨石和シェアエコハウス』アテンダント 
安福可奈子さん

“働き方”や“地方創生”に対する関心が高まっていますが、その一方で、地方での女性の雇用機会は限られているという現実もあります。
今回登場いただく株式会社ゲイトの安福可奈子さんは、会社員という枠組みの中で、空き家を活用した複合型レンタルスペースを運営し、地方に移住して働くことを実践し始めた女性。ゲイトは、今後は社員というかたちにこだわらず、地方在住女性の自立を支援していくそうです。
飲食店やリラクゼーションサロンを都内で運営する会社が、なぜ地方在住女性の自立を支援するのか。安福さんが運営する『山梨石和シェアエコハウス』にて、お話を聞いてきました。

(今回のインタビュー記事は、クラウドブックス株式会社代表取締役でもある編集者の鈴木収春さんに執筆いただきました。)

かつては自分の故郷も含めて
田舎はマイナスのイメージがあった

安福さんの出身は、山梨ではないんですよね。


「そうなんです。もともとは、兵庫の朝来市に住んでいました。


Googleのコマーシャルに出ていた竹田城の城跡があるところです。


朝来市は電車もあまり通っていなくて、1時間に1本くらい。


夜になると真っ暗で買い物もできないような、いわゆる田舎でした。


その頃は、絶対に都会に住んでやろうと思っていましたね。


実際、高校卒業後は大阪に住んで、それから東京に出てきました。


セラピストなど、人の身体に触れる仕事を中心にやってきた中で出会ったのが、いまの会社でした。


ちょうど治療院からリラクゼーションサロンにトレンドが移り変わる時期で、リラクゼーションサロンのスタートアップにセラピストとして携わりました。


それまでも感覚で人生の大事なことは決めてきたんですが、単純に、面白そうな会社だなと思ったのをよく覚えています。


入社して、東京、港区の店舗でたくさんのお客様に携わりました。


多い時は、1日に7〜8人のお客様の施術を担当。スタートアップなので、お客様や店舗が増えていく喜びを知ることもできました。」

↑安福さんがセラピストとして活躍していた『ZABOU西麻布

体調を崩して初めて考えた
自分なりの仕事のやり方

そこから、どのような過程でいまに至ったのでしょうか。


「それからしばらくして、本社に異動になったんです。


施術をしている時は、お客様と1対1の仕事だったわけですけど、販促や広報を担当するようになって、視点がガラリと変わりました。


ゲイトは現在、飲食店とリラクゼーションサロンを都内で約20店舗運営していますが、サロンだけでなく飲食部門にも携わるようになって、予約の取り方の違いや、会社全体のスペックやメカニズムを理解できるようになったんです。


だから、仕事は楽しかったんですよ。でも、その後、体調を崩してしまった時期があって。


これからどうしようかな、何が自分にできるのかなというのを考えるようになりました。


そのタイミングで、ちょうど会社が女性の自立支援事業として、地方の空き家を活用したレンタルスペースのサービスを開始するという動きがあったんですね。


さらに、交流のある農業生産法人hototoさんが古民家をリノベーションした『完熟屋』という飲食店を運営していて、山梨の環境の良さを耳にしていたんです。


旦那さんの転勤で地方に行き、再就職を希望した女性が、キャリアを活かし活躍できるよう営業サポートやソリューション業務を行う環境をつくるなど、ゲイトは地方での雇用機会創出に積極的な会社ではありました。


都内からも近いですし、山梨で働くのもいいのかなと思うようになり、思うだけでなく口にもするようになったら、話が一気に進み出しました。」

↑シェアオフィスでは3台のデスクトップPCを駆使してリモートワークに従事している安福さん。

女性の働き方の
択肢のひとつとして
シェアエコハウスを盛り上げたい

移住してみて山梨はいかがですか。


「山梨に住むのも初めてですし、一軒家に住むのも初めて。


やっと落ち着いてきたところですが、一番変わったのは生活リズム。朝も夜も早くなりました。


東京にいた時は、ついついずっと仕事をしてしまい夜が遅くなることもあったんですけど、いまではすっかり朝型です。


忙しいは忙しいのですけど、自然に囲まれて、身体のリズムが整った気がします。


私の故郷と比べると、田舎という印象はあまりないですね。


東京に近く、アップテンポな感じというか、地元のみなさんとお話すると、しゃべるスピードが早いんですよ。


車の運転もけっこう飛ばす方が多いです(笑)。


ご近所さんはみなさん優しくて、ウチのスタッフが来た時は、向かいのおばあさまから柿をたくさんいただきました。


回覧板もまわってきますし、ご近所さんがコミュニティとして機能していて、安心感もあります。


会社員のまま、自分のやりたい地方のプロジェクトに携わるというのは、『MeLike』に登場した方の中では異色かもしれません。


でも、うちの会社に限らず、今後は国の政策を後押しに、地方の雇用機会創出を支援する企業が増えていくでしょうし、女性の働き方の選択肢のひとつとして、この『山梨石和シェアエコハウス』を盛り上げていきたいです。」

↑白い外観と2つに分かれた屋根が特徴的な『山梨石和シェアエコハウス』。

『おうちZABOU』では
山梨の薬草を生かしたメニューも

『山梨石和シェアエコハウス』ではどのようなサービスが展開されるのでしょうか。


「スタートを切ったばかりですが、『山梨石和シェアエコハウス』では、女性限定のメンバー制サロン『おうちZABOU』と、企業研修等を対象としたレンタルスペースサービスを展開していきます。


『おうちZABOU』では、地域性を生かして摘みたての薬草を使ったデトックスコースなどもメニューに加えています。施術後にも、ハーブティーやフルーツなど、現地のものを活用しながらリラックスしていただく予定です。


レンタルスペースは、都内のホテルなどで行なわれている企業研修を、自然豊かな環境でやってみませんかという提案ですね。戦略会議なども、環境が変わればまた違った発想が生まれるはずです。


田植えや収穫などの農業体験もアテンドできますし、シェアオフィスとしても活用していただけるように準備を進めているところです。」

↑さまざまなタイプの部屋が用意されている。旅館に近いイメージ。

“自分がしたい暮らし”は
地方で実現しやすくなる

安福さん自身の今後はどのように考えていますか。


「会社にとっても自分にとってもお互い良ければですが、今後収益が安定してきたら、純粋なレベニューシェア型で、独立してここを運営していく可能性はありますね。


もし会社のサポートがなくなったとしても、大丈夫な自分でいたいというのはあります。


いまは価値観が変わってきていて、都会でたくさんのお金やものに囲まれるよりも、本当の意味で豊かな暮らしがしたいという方が増えてきていますよね。地方のほうが水と空気がきれいで、食べ物もおいしいですから。


地方創生を進める国の方針もあり、自分のしたい暮らしが地方でうまく実現できる下地ができあがりつつあるのではないでしょうか。


私自身も含めて、女性がのびのびと働いて暮らせる場所がもっと増えるといいなと思いますし、まずはそれを実践していきたいですね。

見学も大歓迎ですので、記事を読んで気になった方はぜひ『山梨石和シェアエコハウス』に遊びに来てください。」


 

取材・文/鈴木収春

suzukisann

クラウドブックス株式会社代表取締役。自由大学「出版道場」「伝わる文章学」教授、「伝わる動画学」キュレーター。東京作家大学講師。

1979年生まれ。講談社客員編集者を経て、出版エージェント&PRプランニング事業を展開。アーヴィン・ラズロ『CosMos』(講談社)、須藤元気『今日が残りの人生最初の日』(講談社)など多くの話題作を担当。
Profile

株式会社ゲイト『山梨石和シェアエコハウス』アテンダント 

安福可奈子さん

株式会社ゲイト『山梨石和シェアエコハウス』アテンダント 

安福可奈子さん

兵庫県朝来市出身。小児アトピーの経験から、自然療法やオーガニックなものへ関心を持つ。高島屋・三越大阪にて、オーガニックコスメ ジュリークサロン、ショップの立ち上げに携わる。その後、上京。株式会社ゲイト『ZABOU』にてセラピストとして勤務。

現在、『山梨石和シェアエコハウス』に拠点を移し、ブランディング・広報・レンタルスペースのアテンダーとして活動中。


「山梨石和シェアエコハウス」

住所:山梨県笛吹市石和町小石和519-6

営業時間:0:00~24:00

料金:1時間2,500円〜

レンタル情報:https://sheeps.jp/space/detail.php?k=lS56sT9vMn8cDobqqs1w