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Interview

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千葉九十九里の地で実践!生きていく術として 暮らしに活かす“編集力”【後編】

『OUTLAND WEB MAGAZINE』』編集長、映像製作レーベル『Wild Lemon』代表
山根 晋さん

当Webマガジン担当、編集ひとりが憧れ、リスペクトする、21世紀的編集者、山根 晋さんのインタビュー【後編】です。

これからの『OUTLAND WEB MAGAZINE』

そんな独自の編集活動に携わられて1年。どうですか?

一人で全部自分の意志を反映させるから、やりやすい事もあるんだけど、そうするとジャムセッションが出来ないってこともあるんですよね。

全部一人で曲を作って演奏するっていうベースもドラムもメロディも全部入れて。そうすると自分の頭の中の物しか出来ないじゃないですか。

そうなると編集思考の自分がそれってあんまり面白くねえよなって言ってるところもあるんですよ。

いろんな人とやる事で、いろんな違う考え方からある物をつかめる事が面白いんじゃないかなみたいなところもあって。

そこは今の個人的なジレンマなんですけど。

とは言っても、カメラマンさんやライターさんに仕事発注するにはマネタイズをどうにかしなければいけなし。

世の中の風潮として必要以上物を持たない生活のほうがかっこいいみたいな反面、体験には結構お金を払うと思うんですよね。

なのでローカルWebマガジンとしてワークショップなどのイベントをやるとか地域の企業を回って協賛をいたただくみたいな流れも考えたんですけど。。。

それから何回かクラウドファウンディングをやろうとしたんですけど、結局、実現しなくて。お金に関してはクリアしなきゃけない大きな問題で

多分ガッとやればある程度の形にはなると思うんですけどどうしようかなって考えてますね。

とりあえずは自分の仕事の生態系の中で『OUTLAND WEB MAGAZINEはまだマネタイズは出来てないし、何か面白いやり方を待ってる感もあって。。

↑『OUTLAND Web Magazine』から派生しているワークショップの数々。

そんな中、『OUTLAND』の紙版を構想中とか。

そうですね、紙は面白いっていうか。

Webマガジンを立ち上げてみて思ったんですけど、体温をちゃんと伝る事をしたいなと。質感というか。こないだ印刷会社の人、いい匂いのする紙とインクを使いたいんですよって話をしたら、結構困ってらしたんですけど。Webは匂いは絶対出せないから。

でも雑誌だったらぱっと開けた時に、なんかこの匂い結構インクっぽいなとか。質感とか、そこを相談できる印刷会社さんと二人三脚でやりたいなと思って。笑ってましたけどね。まじっすかって。別に香水の匂いがするわけじゃなくて、もっと紙とインクの匂い感がでるような物を作りたい。ってうのを紙でやると結構面白いだろうなと思って。要するに身体感覚的なコミニケーションという感じなんです。」

それはWebと連動させて?

もちろん。Webマガジンの方はコンテンツはそんなに入れないようにして、紙の方に集約していく感じにしようかなと。

Webはあらすじ的な感じにして。懐古主義みたいになっちゃ絶対だめだなと思ってて。

要は紙の質感っていいよねーてだけではだめだと。

Web、デジタルって流れがある訳だから、そこの流れを変えるのは到底無理だと思うし。

そうじゃない紙の提案の仕方を考えてる。

だから匂いにこだわったってなると、また違う紙での提案だから面白いだろうなと思ったりして

東京よりも。編集感覚を養う最適な環境

なんだか面白い事を常に企ててらっしゃいますが、更にこれからやりたいことって何ですか?

これから、多分今もそうだと思うんですけど。外国の人と何かを一緒にやる事ってことが普通になってくると思うんですよ。

今後おそらく大学生の進路として、外国の大学も選ぶようになる。今もなってるんですかね?もっと一般化してくると思うんですよ。

その子たちが働き出すようになると、そういう感覚がどんどん当たり前になってくるじゃないですか。

自分のモチベーションとしても国境を越えて、でもビッグプロジェクトなわけじゃなくて、もうちょっとインディペンデントな活動でも、いろんな人たちとコラボレーションが出来るような事をやっていきたいとすごい思いますね。

KIZUKI THEATERは国外に出て撮るってこともやりたいと思って。」

↑『OUTLAND Web Magazine』のインタビューに登場される方々は、地元ならではの取り組みをされている魅力的な方々ばかり。山根さんとの深いつながりがあってこその深みのある記事内容です。

↑千葉県山武市を拠点にする林業チームWO-unの佐渡さんと共に企画している、“大人の学校 番外編 『外から見た日本の政治』”の動画撮影の様子。


「それから大きなフィールドが欲しい。荒野。自分が小屋を建てたりできるようなことが最近いいなと思う。

自然に近いところで編集的な感覚を養って、実践するような事をしたいなと。

要は都会でいろんな物や欲望とかをカッコ良く編集している人はいっぱいいるから。

そうじゃなくてもうちょっと広い視野で人間社会や現象を感じながらも、編集できるようなスキルを身につけたい。

地球を全体で見るっていう。全体を見て判断するのはすごい重要だなと。

だから、まわりに物がひしめいている都会的な場所でなくて、俯瞰して見れる広いスペースがある環境に自分を置くことで編集の感覚をつけたいのかな?

東京だとスピードが速いし、色んな雑音があるし。田舎だと雑音あんまないし。

そうすると、そういう事に徐々に意識が向いて来る。自分の思考とかが深められる

だから、住居を東京に置くというのは考えられないですね。もう。

東京を否定するわけではなく、都会カルチャーの面白さもわかりつつバランスよくニュートラルでいられる場所に身を置いておきたい。」

仕事と暮らしがひとつの場所

「田んぼが住まいの近くにあれば、食べ物意識がなんとなく向く。

食べ物を作ってる友達が周りにいるってことが、自分にとってどれだけ大きな学びであるか。それからがスタートだろうなと思うし、自分のやりたい方向性のスタートだと思う。

間違いなく言えるのは仕事と暮らしが全部セパレートされない感覚がこっちにはある。趣味と仕事もそうだし。暮らしの感覚と近い所で仕事ができるというか。仕事の感覚っていうのじゃなくて、暮らしの感覚でいられるというか。

多分、これからの世の中全体の流れも、そうだと思うんですよね。今の感じを見てると。

だから、こっちでみんな集まると生活に根ざして、どう生きるべきかみたいな話で盛り上がる。

仕事と暮らしと全部が一緒じゃないですか。

そうすると一番面白い話題ってそこの話なんですよね。

楽しすぎちゃって、仕事と暮らしが。そこに一番知りたい情報と感じたいテンションがあるから。

その事をずっと考えていたいから。」
「ただ地方だけで完結させるって訳ではない

お金の回り方をダイナミックにしていくには東京に出て行かないと難しいと思う。

例えば、具体的な話をすると僕の映像の仕事って115万円て最低ラインを作ったんですよ。それはワンマンオペレーションでやるには僕にとっては結構十分。

でもこっちの人だと、15万は高いし。東京の企業だとめちゃくちゃ安いんですよ。15万でこれ作ってくれるならお願いしますって言われる事が結構多くて。そういうところは東京が近いからバランスよくできてるのはありますね。

これから東京の企業や団体にも自分の価値を認めてもらって、クロスオーバーして仕事ができてくる事が、次の段階かなと思ってます。

最終的に目指すは編集家

編集の可能性どんどん広がっていきそうですね!

今ソーシャルメディアもあるし、誰でも有名になり得る。こらからの時代、編集って活動はすごいいいなと思って。

編集って言葉にすごいときめいてる。編集て言葉を見るとドキッとするんですよね。

そのぐらい編集って言う行為、概念に惚れてるというか。

自分はまだまだだなと思うところもあって、それに憧れてるっていうのもあるし。

でも僭越ながら僕はゆくゆくどういう風になりたいかと言うと、音楽家とか芸術家とか写真家とかと同じように、編集家になりたいんですよ。

編集家と言える職業を体現して、その仕事をやっていきたい。

でも編集ってある程度、経験も必要だし。

僕の場合、紙じゃなくて人、物、事の編集だから、全てに対しての鋭い感覚、深い洞察力を鍛えないと。

たまに友達にそういうの話したりするじゃないですか。仲良くなって。

そうすると、すっげー恥ずかしい事に、“編集家の山根君を紹介します”って紹介されて(笑)

いや、編集家って言いたいけど、今、言うのすっげー恥ずかしいなって。大先輩がたくさんいる中で。俺、編集家とはまだ言えないんだよなって。

そこは楽しみにとっておきたい。髪の毛が白くなって、やつれて60歳ぐらいになった時にやっと編集家って言える!ってなったらいいなと。」

「引退は絶対したくないんですよ。死ぬまで仕事したいと思ってて。仕事、遊び、暮らし全て。定年とか最高の罰ゲームですね。

ただ仕事の発生のさせ方がすごい難しいですよね。

音楽作れないのに音楽家とは言えないでしょ。じゃあ編集家って…何なのか?

色んなモチーフがあるじゃないですか。オールジャンルすぎて、何かの課題解決の為にミックスする

その為にはやっぱり、もっと本を読まないと、色んな経験をしなきゃいけないし。

インプットとアウトプットを繰り返して。

編集”を狭い意味に捉えず、日々の生活に取り入れ活用できる魅力的なツールとして実践している山根さん。

ライフスキルとしての編集力。これからの時代、より良い暮らしのために我々も習得すべき糧なのかもしれません。

山根さんのさらなる編集家活動から目が離せません!是非、『OUTLAND WEB MAGAZINE』チェックしてみてください!
Profile

『OUTLAND WEB MAGAZINE』』編集長、映像製作レーベル『Wild Lemon』代表

山根 晋さん

『OUTLAND WEB MAGAZINE』』編集長、映像製作レーベル『Wild Lemon』代表

山根 晋さん

1985年生まれ。 2009年、大学卒業後、広告代理店、出版社にて営業と企画を経験、311以降の価値観の変化の中でこれからは地方から面白いヒト・モノ・コトが生まれてくると確信し、2012年に地域活性化マガジン『TURNS』の立ち上げに参加。 その年、千葉県九十九里町に移住し面白いコミニティを作るべく様々な企画やイベントを行う。生活を自分の手で作りあげるスキルを身につけたいとの思いから1年間千葉県山武市にて大工修行をし、その間に千葉県の太平洋側のエリアをフィールド した創造的ローカルライフを実践、紹介、提案するウェブマガジン『OUTLAND WEB MAGAZINE』を創刊し、企画、取材、撮影、編集を全て独力で運営を開始する。同時に映像も独学で体得し、2015年1月1日に映像の個人レーベル『WILD LEMON』をスタートさせる。現在は映像制作をメインとしながらも『OUTLAND WEB MAGAZINE』の運営や企業団体個人のホームページ制作や広報企画立案などで活動中。ヒトモノコトを編集していくことに非常に興味がある。

SHIN YAMANE's
FAVORITE TIPS

MOVIE

『Into the Wild』

総合力。絵もいいし、音楽もいいし。ロードムービーなんですよ。僕の人生のタイミングとちょうどばちこーんと当たった。道を悩んでる時。20代の前半ですね。アラスカに向かう話なんですけど。俳優の子も同い年だし。自分を投影できた。ショーンペンの作り方もいいし。全てがいいバランス。車でサントラを何年間も聞き続けてるので、自然に出てきちゃうんですよね。『WILD LEMON』の“WILD”はここから取りました。

BOOK

『日本力』
松岡正剛、エバレット・ブラウン 著

松岡さんは憧れの人です。自分が何か表現するために下地である日本をちゃんと知りたいってのがあって。現代はあまりにも輸入文化で。楽しむのはいいんだけど、アイデンティティは日本人の過去にある。そこのエネルギーとか良さを今の世代が吸い上げて楽しむ事が結構重要じゃないかなと。そこを掘り下げて、自分みたいな発信する者が表現の中に入れていく事が重要だなと思ってて。最近すごく松岡さんの著作を読みます