
Interview
破天荒でいいじゃない!
急成長のフィリピン、セブで
拓けた新たな可能性
セブに来ようと思ったのは何がきっかけなんですか?
「もともと海外に住もうとは思ってたんです。
開発の仕事に集中したくて。もともとデザイナーなので、デザインやコーディングしたりとか、ちょっとしたプログラムを書いたり、ずっと自分の部屋にこもってパソコンいじってサービスを作りたかったんですね。
今、全然違うことになってますけど(笑)」
セブを知ったきっかけは?
「3、4年前に友達からセブ島の語学留学の話を聞いて。
それまでセブのことは全く知らなくて。
英語圏で、温暖な気候で、物価が安くて。その三拍子が揃う国ってあんまり他になくて。
海外に移住したいと思って遠隔でやれる仕事だけを残して会社もどんどんスリム化していた時だったんですね。
その話を聞いて1ヶ月後にセブに行ってました(笑)。
当初、セブではビジネスしないって決めてたんですが。
セブにいながら日本の仕事をするっていうコンセプトだったんですけど…。」
祢津さんのセブのお写真を拝見すると、かな~り楽しそうな感じですけど?(笑)
↑祢津さんのfacebookより。オールブルーのお仕事の様子。
「結局、こっちに来たのがきっかけでオールブルーというダイビングショップの経営に関わることになりまして。
主にWebマーケティングを担当しています。
今、一番面白いのは、予約や入金の状況、ツアー後のアンケート内容など顧客のデータ分析。
例えば、テレビのCMは、クオリティが高いじゃないですか。それだけ予算をかけてますからね。
昔はその効果測定がちゃんと取れなかった。今は、Webで数字で結果が見えるようになって、収益につながる広告がどんどん打てるようになった。変な話、クオリティは低いけどコンセプトがしっかりしてるものの方が、クオリティの優れたものより成果を上げるような例もあって、それを明確に判断できるようになった。
昔は“クオリティが高い=良いもの”だったのが、今は“結果が出る=良いもの”って時代に変わってきてて。
そういったことを、今のお店のWebマーケティングに携わりながら実感して、面白いなと。
あと、『おもてなし』というAirbnbのユーザー向けのコールセンターのサービスを始めました。
今、2ヶ月ごとに日本とセブを行ったり来たりしてるのですが、六本木の家をセブ不在の間はAirbnbで貸し出しているんですね。
自分がゲストの受け入れに対応するのが面倒になって、自身の負担を軽減するために思いついたサービスなんですけど(笑)。
要はAirbnbのホストに代わってゲストの問い合わせに対応するサービスなんですが、子育て中のママでも携帯さえ持っていれば誰でもできる仕事です。」
日本の仕事をするために来たはずのセブで、いろいろ新たな仕事が生まれたわけですね!?
「そうですね。
“エベレスト”って社名の話なんですけど、アマゾンってあるじゃないですか。世界一の流通の会社。
僕がやりたいのは電子データの世界一の流通の会社をやりたいんですよ。
なので川に対抗して山で“エベレスト”なんですけど(笑)。
文章だとか契約書のフォーマットとか写真とか映像とか、プログラムファイルとかそのパソコン上でピッてやって売り買いする巨大なプラットフォーム作りたくて。
そのために、セブでいろんなことにトライしたいと思うようになって。例えばオールブルーの顧客は今、日本人だけですけど、韓国人や中国人や現地の英語圏の人とかの集客ができるような仕組み作りなどにも取り組んでいきたい。
『おもてなし』についても同様です。海外マーケティングはやったことなかったので。
Webマーケティングとサービスを向上に取り組んでいます。」
こもる予定が、かなり活動的に動かれていらっしゃいますね?
「こもる予定が楽しくなっちゃって(笑)。」
結果的に、セブに来て、良い意味で想定外の展開があったってことですね。
祢津さんにとってセブの魅力とは?
「志高い人が集まっていることですかね。
他の都市でもそういう所はいっぱいあると思うんですけど、セブは比較的に狭いので、コミュニティがぎゅっとしてて。
中国とか逆に大きすぎて輪に入れないんですよね。
それから、セブは語学留学に来る一見の人たちも多くて、すぐに、お互いが仲良くなりやすい環境がある。」
祢津さんから見てセブに集まる人の属性みたいなのってありますか?
「シティとマクタンで全然違いますね。
シティはやっぱりビジネスマンがメインですが、学生も含めて志高い人が多いですね。
僕のいるマクタンは本当に色々なんですけど。
ダイビングなどのアクティビティを売りにしたビーチリゾートなので、色んな企業の社長さんだとか日本で会えない人と会える面白さがありますね。人生の先輩たちの貴重な話が聞けたり。
そういった出会いの機会って日本にいると自分からアクションしないと難しいじゃないですか。セブはいるだけで、出会いのチャンスにあふれてます。」
セブに来て、働き方や暮らし方など日本にいるときと変わったことはありますか?
「だらけましたね(笑)。
結構理想としていたものは一応形になったんですけど、実際そうなると自由すぎて。
基本的にもう今携帯いじってる方が長いんで。
2017年の抱負は、遊ぶことで学び、学ぶことを遊びに転換していきたいです。
実際それがしやすい環境にいるのと、それをすることで“多くの発見”と出会えればいいと思っています。」
それって日本で働いてたら出てこない発想で、この綺麗な自然と、ゆったりした時間が流れるセブの環境だからこその発想なんですかね?
「どうでしょう?(笑)」
ちなみに、今、セブでは、どんな所にお住いなんですか?
「最近、事務所の近くに引っ越しまして。
家具付きですごく綺麗で。
以前、住んでいた場所はスタッフが家族のように良くしてくれて。3年間、僕がいない間荷物を預かってくれたり。とても良い所だったんですけど。
ショップ移転をきっかけに引っ越しすることにしました。
日本でもそうですが、移動する時間が大嫌いなので、移転の理由はショップから徒歩1分以内っていう近さですね。」
ちなみにお家賃は?
「月約5万円ぐらいですね。」
↑祢津さんのセブの新居。外観と内観とベランダからの眺望。
今後、セブじゃない場所に拠点を移す可能性もありますか?
「正直、こっちに来るまでは、こんなにセブにはまると思ってなかったです。
面白いですね。他の国もどんどんコアな所を見ていきたいなと思ってるんですけど。」
海外で働きたいと思ってる方にアドバイスがあれば教えてください。
「みんな行くか行かないか考えるときに、ネガティブなことから考えるじゃないですか。
そこ考え過ぎちゃうと絶対に石橋は叩くと割れるんで。
石橋は割れても怪我しないようにしとけばいいのかなと。
例えば、怪我したり病気するのも前提で。それだったら薬持ってこうじゃないですけど。
リスクヘッジはしないといけないですけど、あんまりビビらない。
僕も最初に来た時に、みんなから絶対やめておけと言われた地区のセキュリティのない家に住んで、仕事用のMac pro二台含む家財道具全てを強盗にごっそり持ってかれたこともありますけど。」
その体験をもってしても、“動いちゃえ”ってことですね?
「そうですね。
なんだろう、僕も当時、なんで迷いなくセブに行こうと決めたかよくわかんないですけど、
逆に、これからは、日本に居続ける方がリスクになりうるってことも考えたほうがいいのかなとも思いますし。
やっぱり視野は広いほうがいいと思ってて。」
今後、取り組んでいきたいと思われていることは?
「僕の次のテーマは、どういう組織を作っていくか。
会社として長く続く組織って変化に対応できることが大切だと思ってます。
あんまり物理的に大きくなると変化に対応しづらくなっちゃう。
今、どんなにいいサービス作っても、アップルとかグーグルがかぶるサービスやっちゃえば一瞬でなくなっちゃうので。
中途半端に勝負するよりも、色々様子を伺いつつ波に乗るタイミングっていうのをすごい考えちゃいますね。
クラウドで組織を作っていける様な仕組みも作っていきたいなとも思っています。
それはそれで限界がくると思ってはいますが。
色々、試しながらやってます。」
「あと、組織って、学校も組織だし、家族も組織だし、会社も組織だし、色んなレイアーがあって。
国も組織だし。僕、国より上に会社があると思ってるんですよ。国って土地に依存しちゃうので。
会社は国を超えられると思ってて。
国境を越えていくような会社組織作りってのに取り組んでいきたいですね。」
ちなみに、英語(外国語)の習得についてお聞きしたところ…。
「僕もともと中国にいるときから外国語にあんまり興味がなくて。
中国で仕事していた時に現地のスタッフに、どうして中国語を覚えないんですか?喋ろうとしないんですか?ってすごい言われたんですけど。
中国語覚えても次、別の国で何かやりたいときにまた別の言語を覚えないといけないの?って思ったりして。それと一緒でビジネスで英語は必要ないと思っていて。
どっちかっていうとプライベートなコミュニケーションでめっちゃ英語覚えたいんですけど(笑)。けど、それ以外はグーグルにお願いして。」
色んな面で型破りのネッツさん。
考えるよりも先に即行動で、予想もしなかった良い状況を生み出してる。
海外へ出るのも、考えるよりも動くことが大切ということですかね。
ブログ記事でも書きましたが、最近、セブは、語学学校MBAさん、英語&IT事業で注目を集めるNexSeedさん、そしてWeb業界をリードするLIGさんのサテライトオフィスなどなど、勢いのある面白い会社が続々と進出し、かなり盛り上がっています。メンバー同士が何かしらつながっていて、お互い刺激し合いながら良い関係を築いているそうです。
成長真っ最中の元気な国の波に乗る魅力的な人たちが集まり、魅力的な取り組みが繰り広げられているセブ。
今の日本に足りないこの勢いこそ、祢津さんはじめ彼らが求めているものなのかもしれません。
祢津さんの(良い意味で)破天荒ぶりにさらに拍車がかかりそう!?
エベレスト株式会社 代表取締役社長 ・Allblue "Scuba&Marinsports" セブ島 Co-Founder/Owner
祢津圭吾さん
エベレスト株式会社 代表取締役社長 ・Allblue "Scuba&Marinsports" セブ島 Co-Founder/Owner
祢津圭吾さん
1981年11月6日生まれ。東京都出身。
阿佐ヶ谷美術専門学校に通いながら、広告、映像制作会社に勤務。
2003年、渡米。アメリカ、デラウェア州にアメリカ合衆国法人の株式会社DICSを設立。日本支社も設立し、映像だけでなくWEB制作、WEBマーケティングの事業を開始。
2008年、日本法人の株式会社ユニオンスクエアを設立。上海オフィスを立ち上げる。
2009年、中国法人の上海优霓广告策划有限公司を設立するも2011年に撤退。
2012年、事業のノマド化を準備。
2013年、 渡比(会社はそのままで、セブ島にて生活)。
現在、日本とセブ島を拠点に、時間と場所にとらわれずに、自分の夢や目標を追い続けるライフスタイルを送る。