
Interview
温泉につかって熱海でテレワークこれからの新しい働き方
実は、セルフリーの代表、小俣さんとのご縁は、『MeLike』の取材でお伺いした『ギルドハウス十日町』での出会いがきっかけ。
面白い場所には面白いメンバーが集まるわけで、一際キャラが立っていた小俣さんとはすぐに打ち解け、飲みの席の他愛無い会話から、いつの間にかお仕事に関する熱い語りとなり…。さらに詳しく話を伺いたいと今回の取材とあいなったわけです。
旅先の出会いが、さらなる記事につながるのは、“旅するメディア”冥利に尽きるというもの。
セルフリーがサテライトオフィスを構えるのは、熱海のとあるリゾートマンションの一室。
扉を開けば、そこは熱海の海岸を一面に見渡せる絶景スポット!
すっかり旅行気分でインタビューはスタートしました。
まずセルフリーの事業内容についてお聞きしてもよいですか。
小俣さん(以下O):「基本的にはWebの開発会社です。
根本の制作作業もやっていますが、今、一番注力しているのは“コールコネクト(CallConnect)”というクラウド電話サービスですね。」
具体的にどんなサービスなんですか?
O:「ブラウザ上で電話の送受信ができるサービスで、一般的なオフィスだと恐らくビジネスフォンが置いてあって、電話がかかってきたら、誰かが取り次いで応対して内容を聞いて…という感じになると思うんですけど。
取り次ぎ自体に時間がかかったり、内容も全て録音されているわけではないのでログとして残すのが難しかったり。
そういうことが全てWeb上で出来てしまうサービスで、Web上から電話番号を入れれば電話発信が出来ます。
受信に関しても、番号を発行するので普通の電話機と同じように着信が出来ます。
それを、用件別に、“〇〇にご用の方は1と#を押してください”のようなガイダンスの設定をして効率良く振り分けることも出来ます。
通話を全部録音することも出来ます。」
通常の電話の機能と、お客様問い合わせ対応みたいのを全部Webで出来てしまうサービスということですか?
O:「そうですね。
このようなサービスは従来、50万から数百万円くらいしたんですけれど、月額1人あたり1,800円からと、安く使えるように提供しています。」
個人事業主さんとかにも最適ですね。
O:「そうですね。
例えばクリニックさんの受付で着信時に患者の情報がすぐ出るようになってるので、その場ですぐカルテ番号が分かり迅速な対応が出来たり。
外部のコールセンターに委託していたダイレクトセールスなどのアウトバウンド業務を自社で内製化したいと思っている企業さんに導入しやすい費用でスモールスタート的に入れてもらったりとか。
様々なニーズに対応してお使いいただいています。」
この企画は誰が最初に思いつかれたのですか?
O:「もともとは本間ですね。」
本間さん(以下H):「これは、かなり最新の技術を使っていて、私がいち早く注目しまして。
これなら今までのコールセンターの課題を解決出来ると思って。試しに作ってみたら、ビジネスとしていける感じになって。」
その技術というのは?
H:「トゥイリオ(Twilio)っていうアメリカで出てきた新しい技術でして。
これを使うと正にパソコンだけで電話が出来る。
電話機が必要なくなる。
今までは作るのが困難だったのですが、トゥイリオのおかげで私達でもこういうサービスを作れるようになりました。
私が定期的に新しい技術を収集しているんですが、これは本当にすごくて。久々に感動する技術に出会えた。」
O:「KDDIさんが主宰するハッカソン(ソフトウェアのエンジニアリングを指す“ハック”と“マラソン”を組み合わせたIT業界発祥の造語。プログラマーやデザイナーから成る複数のチームがマラソンのように与えられた時間内でプログラミングのアイデアや成果を競い合う開発イベント)ビジネスプランコンテスト『スマートコミュニケーション アワード2015』でコールコネクトの前身となるサービスを出させていただいた時に優秀賞を頂いて。
これいけるんじゃないかということで、会社内でも事業化に踏み切ろうってことで、一気にそこから開発して。
2015年の7月にローンチしました。」
↑セルフリーさんの熱海オフィスの様子。
お二人が出会ったきっかけは?
O:「2014年の12月にシェアリングエコノミー(個人が保有する遊休資産の貸出を仲介するサービス。シリコンバレーを起点にソーシャルメディアンの発展と共にグローバルに広がった)のカンファレンスイベントがあって、家事代行のエニタイムズさんや、“タイムチケット”を運営している株式会社レレレさんなどが登壇されていて、それを聞きに出席して。
同じ分野のシェアリングに関するものだったので、意見交換みたいな感じでその後飲みに行って、そこから意気投合して。」
それまでお二人は、どんなお仕事をされていたのですか?
O:「僕は、2012年卒で、人材紹介の営業をやっていたんですけど。
学生時代から独立を考えていて、思い切って半年で辞めて、個人事業主として営業代行をやりまして。
ある程度資金を貯め、2014年にセルフリーを創業しました。
今、注力しているコールコネクト以前から、“ヒッチミー(Hitch me)”というライドシェアマッチングサービスも展開していて。
営業代行をやっていた時に時間もあって、青春18切符を使って、国内を旅したんですね。
移動の時間にもっと人とのコミュニケーションがとれたら面白いのにと感じて、ヒッチハイクに興味を持ったんですね。
ただ実際、路上に立っているのも非効率だし、何かネットでうまくマッチング出来ないだろうかと思いついたのが、ヒッチミーの構想のきっかけで。
セルフリーでは、ライドシェア事業を日本で広めていきたいというのがあったんですけれど、B to Cのビジネスモデルなのでマネタイズするまでにすごい時間がかかる。
会社の方針として資金調達というより、まず自己資本でやっていくという方針だったので。
キャッシュが得られる方法を優先的に考えた時に、ひとまずはコールコネクトに注力してやろうということで。」
H:「僕は前職が楽天だったんです。
高校生の時、ITバブル真っ只中で、その頃からプログラミングを勉強しだして。
開発をする時はこういう静かな場所で、一気にやりたいって思いは非常に強かったですね。
会社だと横槍がすごい入ってくるんですよ。
開発って集中しなきゃいけないので、めちゃめちゃストレスで。
独立して、生産性の部分ではだいぶ改善されたんですけれど。
システムを全て一人で作ってリリースしていたんですけど、実際にユーザーに広めていくってところで結構手詰まりを感じて。
技術的には作れるんだけど広めていくやり方が全然わからなくて、悩んでいたんですね。
その時に営業経験豊富で、同じ志がある小俣に出会って。
だったら技術の出来るところは僕がやって、ユーザーに広めていくPRの部分は小俣がやれば、事業としてより良くなるだろうと、一緒にやることになりまして。」
O:「もう一人、デザイナーの畠佑輔がいて。
僕と出会う以前に本間が参加したビジネスプランコンテストで会っていたんですけれど。
彼も僕らの事業に共感して、それぞれやれることは違うけれど、目指すところが同じだから一緒にやりましょうって。
彼も2014年の12月のタイミングでデザイン会社を辞めて。
コールコネクトの開発は2015年の4月からこの熱海で3人で合宿状態で取り組みました。
今思えば本当に奇遇だったなと。」
みなさんのように、イベントで出会った方同士組んで起業されるような方は増えてきているんですか?
O:「珍しいんじゃないんですかね。
起業を目指す人達のためのイベント自体は多いんじゃないかなと思うんですけど。」
H:「たいていのスタートアップは、最初、資金繰りに困って投資家に頼る傾向にあると思うのですが、そういう意味では私達は全然違っていて、起業したいからまずお金を貯めるところからスタートしていて。
私も小俣も一生懸命貯金して。
投資を受けてしまうと、まず、こういうところで働けなくなってしまう。
東京に縛られてしまうので。」
O:「別に悪いと思わないんですけど、東京のスタートアップの多くはピッチコンテストとかに出て投資を募って投資額を割り込む前に売上を作っていくってのが流れだと思うんですけど。
そうじゃなくて自分達の自己資金でやれるところでまずやってみようよって3人の中で共通認識があったので。
今は若干貯金を切り崩しているところはありますけど、それでも自分で望んだ道なのでそれが減る前に頑張ろうってやってる感じですね。」
熱海に拠点を構えることにしたのは、どうしてですか?
H:「たまたま親戚が、熱海に部屋を持っていて。
今、使っていないということで、会社で借り上げて使わせてもらってます。
メンバーの出会いもそうですが偶然の幸運が重なってる感じです。」
O:「熱海で何かやりたいというよりも…。
もともと東京の新宿のオフィスを拠点に集まっていたんですけど、通勤のストレスだったり、作業効率、生産性の向上を考えると、集中して出来る環境が欲しいと思っていたときに、たまたまそういうご縁があったので、渡りに船という感じで、熱海にサテライトオフィスを構えて、現在のような形でテレワークを始めました。」
H:「東京にいると、イベントとか、ミーティングとか予定が入っちゃうんですよ。
その時点で、開発の作業が中断されてしまうので。
それが週一回でも入ってしまうと、効率が悪くなってしまう。
熱海にいますって言えば、みんな諦めてくれますし。」
O:「強制的にストイックな感じで。」
H:「基本的に人との接触を遮断するみたいな感じで。
そうすると本当に集中できるというか。
一週間ずっと作業のことだけを考えられるというか。
それに、このマンションには温泉がついているので、疲れたらそこで一風呂浴びて心底リフレッシュ出来るし。」
↑熱海の商店街。
プログラマーさんや技術者の方は東京よりも地方の方が仕事するのにはおすすめってことですか?
H:「集中は間違いなくできると思いますね。
それしかすることないんで。」
O:「商店街とかはだいたい17時に閉まっちゃうんで。
別に遊ぶ場所があるわけではないんで。
だから本当に、仕事するか、寝るか、温泉入るかくらいなんで。
基本的には外からの情報をシャットアウトして作業に集中するのが目的なので。」
東京のような遊び場的なものがなくて寂しくなったりしないですか?
H:「もちろん、たまに寂しい時もあります。
なので月の3分の1は熱海にいて、残りは東京で過ごす的な二拠点的な働き方をしています。
ずっと熱海にいると、東京のザワザワしてる感じを味わいたくなって、東京に戻って、1週間くらいで飽きて、また熱海に戻りたくなって。
毎回、行き来する度に新鮮な気持ちになるんですよ。」
O:「逆に私は東京がメインで、月の一週間ぐらいに熱海に来る感じですね。
企画を詰めなきゃいけない時などに来て、実際に会って打ち合わせをします。
東京から新幹線で40分、各駅の電車でも2時間で来れる場所でありながら景色も雰囲気も聞こえる音全部が変わるので、心機一転できます。
熱海は、山も海も両方あるし。」
H:「さすがに年がら年中、熱海にいるのは僕も無理。
こういうリゾートマンションの1室にこもって集中して仕事をしているので。」
O:「今まではこもりっきりだったのですが、最近はちょっと知り合いが出来てきて、これからは熱海の中でも繋がりを作っていけたらなと。
そこから何か仕事につなげていけたり、そういう関わり合いが出来たらいいなとは思っているんですけど。」
ここ最近、熱海は盛り上がってますよね。
O:「昨日もatamistaってNPO法人さんが運営しているカフェにお邪魔しましたが、盛り上がりを感じますね。」
お互い東京と熱海みたいに遠隔地にいる場合、どのように打ち合わせとかしてるんですか?
O:「毎朝だいたい10時にアピアイン(Appear.in)っていうリンク一つでビデオチャットが出来るサービスがあるんですけど。
僕も本間もデザイナーの畠もこのリンクを共有して、みんなここに入れる。
これでやりとりしている感じですね。
お互い遠隔地でばらばらにいる場合でも、これで毎朝10時に朝礼、18時に終礼をやって日々のタスクの進捗などを確認しあいます。
寝起きで、ぎりぎり10時に間に合ったなってのが、このPCの画面越しでわかるとか。」
何人ぐらい一度にやりとり出来るんですか?
O:「正確な数はわからないのですが、おそらく5人、10人はいけると思います。」
顔を合わせてやるっていうのって違いますか?
O:「リモートでやってる中で一番ネックになるのが、コミュニケーションが希薄になること。
それぞれ担当分野があって、それぞれのペースもあって、各自がこなしていくという前提でやっているんですけれど、ちょっとした雑談とかを取ることで会社として一つのものに向かって行く一体感を生み出すことが出来る。
実際に会うのが一番いいんですが、これを使えば、お互い顔を見れることで連帯感を感じられる。」
O:「もう一個使っているのがスクイグル(Squiggle)。
ミーティング用に使うのがアピアインだとすると、常にPCのカメラの撮影画像のキャプチャを撮って送るサービスがスクイグル。
ログインしていると、5分ごとぐらいにキャプチャ画像を反映していくんですね。
だから今、パソコンの前にいるかどうかが遠隔地でも分かるんです。」
ちゃんと仕事しているかの確認用に?
O:「それよりも、開発の過程でちょっとしたわからないことがあって相談したい時とか、わざわざ電話するなり、メールしなければいけないじゃないですか。
でもこれだと、パソコンの前にいるのを確認し気軽にちょっと聞いてみようと、これで発信できる。
これで繋がることが出来るので、“もしもし、ちょっと確認なんですけど”って感じで。
これは動画でなく、キャプチャなのでリアルタイムで5分ごとに写真を撮ってくれて、相手の画面に反映してくれる。
5分間同じ画像が出て、また5分後に新たにキャプチャされた画像に変わる。
なので、ふと変な顔をしてる時に撮影されると、それが5分間ずっと画面に映しだされるっていう時もある。
あくびとかしてる時に撮られたらそれが5分間ずっと残る(笑)。」
寂しくなくていいですね。
H:「気軽に肩を叩いて話しかける感じですね。」
仕事中の時間の使い方は自由に出来るんですか?
O:「基本的に10時から18時の間のコアタイムは決めているんですけれど、その間でいつランチをとっても、いつ休憩しても自由で。
ただある程度、工程の期日は決めてあるので、それに向けてそれぞれが各自の業務を遂行しています。」
残業する時もありますか?
H:「残業というか、好きにやっているというか。」
O:「一応18時が仕事の閉めなんで、その後やろうがやるまいが特に管理はしていないというか。そこはもう任意ですね。
就業規定がある感じではなく、今、正にスタートアップって感じなので。
みんながそれぞれ、この会社でやりたいことに対してコミットしているので、特にそれに関して残業どうこうだよねっていうのはないですね。」
仕事する量はサラリーマン時代と比べてどうですか?
H:「僕は正直仕事が趣味みたいなものなので。
土日でも喜んで仕事しますんで。
大企業だとやらされてる感があるのかもしれませんが、自分達は本当にみんなに使ってもらいたいサービスを広めていきたいという気持ちでしかないんで。
18時以降の仕事は、もちろん残業って言われるのかもしれないですけど、僕らにしたら普通に楽しくやりがいを感じてやってる。」
O:「各自がオーナーシップを持って、共通の目的をしっかり持っていて、それに向かってそれぞれが力を合わせて出来ることをやっている感じですね。」
仕事を“やらされてる”と感じている人っていっぱいいると思うんですけど。やりたいことを仕事にできるって、ある意味、理想的な働き方ですよね。
O:「もう一人のメンバーのデザイナーの畠もそうだと思うんですけど、自分のやりたいことをやっていますね。
だからこそ、立ち上げたわけですし。
それがスタートアップというか、会社を自分達でやる魅力ですね。」
収入に関してはサラリーマン時代と比べてどうですか?
O:「そこらへんは、まだ不安定ですし。
今、短期的にはWebの開発に自己資金を投入して運営してるのが実情ですね。
ようやくコールコネクトの契約者が増えてきてる流れがあるので、とりあえず半年から1年とか見ていればある程度、運営が回ってくるんじゃないかと思います。」
セルフリーが推進しようとしている事業自体が、みなさんのようなテレワークを促進することにもなりますよね。
O:「国も地方創生の一つとして、大企業のサテライトオフィスを地方に移転させテレワークを推進していく動きがあります。
コールコネクトは、そういった流れの中で需要が高まるんじゃないかと思っています。
自分達自身がテレワークでコールコネクトを使っているわけですが、周りでリモートワークをしている他の企業さんと一緒になって、離れた場所で働く上での課題を解決していきたいと。
例えば東京にある企業が技術的な部門は全て地方のサテライトオフィスに移転したとして、本社の代表番号にお客様から問い合わせの電話がかかってきて、担当者がサテライトオフィスにいる場合でも、本社の人が取り繋ぐじゃないですか。
それを毎回やるのは、めんどくさいし大変だと思うんですよ。
であれば、こういうクラウド電話サービスを使って、例えば1と#を押したら営業部である東京本社の電話が鳴って、2と#を押したら技術部門のあるサテライトオフィスに飛ぶというのが簡単に出来るんですね。
サテライトオフィスにいる人間にしかわからないテクニカルなことに関する問い合わせに関して、保留にしたり、わざわざ折り返したりして、お客さんを待たせてしまうストレスを軽減する。
離れた場所の内線電話もサイト上にログインしていれば同じようにやり取り出来るので、遠隔地の電話対応も効率化出来るのがコールコネクトの利点の一つですね。」
企業に勤められていた経験も踏まえ、これからの豊かな暮らし方、働き方についてどう思われますか?
H:「一般的に、言われた仕事をして、お金をもらって満足みたいな人が多いような気がします。
仕事って人生の大半を費やすものだと思うんで、それだと、すごくもったいないと思っていて。
自分のやりたいこと、信念を貫けることを見つけて取り組むってことが大切だと思います。
そういう夢を見て、リスクを冒す時期っていうのが人生一度や二度くらいあってもいいんじゃないかなと思うんです。
結婚しちゃうとまた話は別だと思うんですけれど。
自分達のような年代だからこそ出来ることを全力でやっている。
おそらく10年後だったら今みたいな取り組みは絶対しないと思うんですよね。
今だからやれる。
毎日楽しいですし。」
サラリーマン時代とは全然違いますか?
H:「企業に属していても、それなりに工夫することはあると思うんですけど、それでも基本は会社の力で。
開発がうまくいっても当然、会社のおかげみたいになってしまう。
今、僕らは本当にゼロから1を作っていて、もしこのサービスがうまくいったら、日本の会社の仕組みを変えたって胸を張って言えると思う。
それを夢見てがんばっています。
そういう意味でモチベーションは全然違いますし。」
O:「生きるって、どういう人と付き合って、どこに住んでとか、どういう風景を見て過ごすかということだと思うんですが、そのひとつとして、“どう働くか”って重要なことだと思うんですよね。
60代で定年としても、多くの時間を使うからこそ、どう生きるか=どう働くかを考えることなんじゃないかなと思っていて。
それが誰かに言われて働かせられていたら、多くの時間を誰かのためにやらされていることと同じだと思って。
だから独立したいと思って。
今、個人の裁量でやれることが技術的にもどんどん増えてきていて。
アピアインやスクイグルみたいな無料のツールもいっぱいあって。
それを活用すれば、場所にとらわれず、自分の裁量でやれると思う。
自分で責任持って、人生をより良いものにする覚悟で何かしらやっていれば、結果がどうであれ、自分は納得できるというか、それが本当の豊かさなんじゃないかと。
仮に高い収入を得ていても、自分が腑に落ちない仕事を延々とやっていたら、振り返った時に“それって本当に豊かだったの?”って落ち込むと思うんですよ。
それは何かちょっと違うんじゃないかなって。」
これからの働き方には、“やりたいことをやる”ってことが重要ですよね。
O:「そうですね。
仕事が金儲けの手段と言うよりは、“自分たちがこうありたい”とか、“世の中がこうなって欲しい”というのを体現するためのモノであると思うので。
やらされてる感もないし、夜遅くまでやったとしても別に苦ではないというか。
もちろん健康に気をつけないとダメですけれど。」
それには、まず、コールコネクトを普及させることに今、一番集中していきたいと?
O:「そうですね。」
H:「流れは確実にきているので。」
O:「今(2015年12月現在)導入企業が35社ぐらいです。
昨日もWebから申し込みが来たり。ありがたいことに徐々に知ってくださる方が増えてきていて。
2016年は僕は必死にセールスして、また今寝かせている、ライドシェアのサービスに注力していきたい。
自分達自身がテレワークの働き方を実践しているからこそ、同じようなスタイルを目指す企業さんにも説得力持ってお薦めしやすいなっていうのもありますし。」
コールコネクトで世の中の働き方が変わっていきそうですね。
O:「場所は関係ないので、在宅でお仕事されている主婦の方でもこれでログインして電話応対の仕事を受けることが出来るようになるんですけど。
従来だと電話回線を入れてないといけないとか、パソコンはWindowsだけとか、結構制限があったんですよ。
その環境で出来る主婦の方ってどれだけいるのって話なんですけど。
基本的にパソコンとネット環境さえあればこれにログインして電話の応対業務が出来る。主婦の方の在宅ワークのインフラにもなればと。
実際、主婦の方を専門的に派遣している業者さんとも話をさせてもらったり。
それも新しい技術だからできる。
自分達のサービスが、これからテレワーク的働き方をする上でのインフラというか、サポートになればいいなと思っています。」
インタビュー後、夕暮れの商店街を散策し、サテライトオフィスを構えるリゾートマンション内の温泉につかり、日本のモナコと言われる熱海の夜景を眺めながら鍋をつついて、一同乾杯(笑)。完全に旅行気分で、熱海サテライトオフィスを満喫させていただきました。
きっと大変なこともあるでしょうけれど、自分達の信念を貫く働き方を実践する彼ら。その表情はとても輝いて見えました。
彼らの取り組みによって、テレワークの働き方がより普及していけば、世の中もっと豊かになるのでは、と実感した一日でした。
合同会社セルフリー
代表小俣隼人さん、CTO本間皇成さん
合同会社セルフリー
代表小俣隼人さん、CTO本間皇成さん
小俣さん(左)/立教大学を卒業後、人材紹介会社に営業職として入社。入社一年目から新卒採用プロジェクトに参画し、採用活動に従事。 プロジェクトの完了を機に、入社前から考えていた起業を決意し、同社を退職。その後、2014年7月に合同会社セルフリーを創業し、代表を務める。2015年7月には、5分で電話を効率化するクラウド電話サービ“コールコネクト”をリリース。
本間さん(右)/青山学院大学を卒業後、在学時代に独学で習得したプログラミング技術を生かすために楽天株式会社へ入社。同社では、Infoseek ニュースの再構築や楽天サロン、楽天キレイ℃ナビの立ち上げを担当し、Web・スマートフォンアプリ開発の技術を体得する。その後、さらなるチャレンジをすべく同社を退職し、独力で複数のWebサイトやアプリをリリース。その後、代表小俣と出会い、2015年1月にジョイン。
BOOK
「小さなチーム、大きな仕事」
ジェイソン・フリード &
デイヴィッド・ハイネマイヤー ハンソン 著
Ruby on Rails(ルビー・オン・レイルズ)って技術を開発した37シグナルズの二人が書いた本。いかに少数精鋭でコンパクトにシンプルに働き、最大の成果を上げるかが実体験を元に書かれています。目標に向かって、自分達で貯めたお金でやっていくやり方が書いてある。投資家からの出資を受けると意見を聞かなければいけなくなり本当にやりたいことが出来なくなることも書いてあって。共感できる内容で僕ら3人これを愛読しています。(本間さん)
BOOK
「強いチームはオフィスを捨てる」
ジェイソン・フリード &
デイヴィッド・ハイネマイヤー ハンソン 著
1冊目と併せて誕生日プレゼントに本間にセットでもらいました。
会社のあり方は3人の話し合いで自然と決まっていったんですけど、その根底には本間がこういう本から影響を受けてる部分があって。自分個人としては旅した経験から得たものがあって。それが似通っている点が多々あって。それをうまく言語化したものが、僕達の会社の方針になっていった感じですかね。(小俣さん)